裏声で歌えマズルカ

漫画とかゲームとか

SQ.2020年5月号ワールドトリガー感想

 

『……勝った』

 

第194話「三雲修⑱」

第195話「雨取千佳⑨」

 

【最初に結論だけ述べます】

 

B級ランク戦ベストバウトを、それもここまで積み上げなければ描き得ないベストバウトを直球でお出しされたら無言でスタンディングオベーションをせざるを得ません。ハラショーです。最高。

 

【それじゃあ辻ちゃんの話をしようか】

 

一旦、メインの話は横に置いておきますが今回も辻ちゃんは本当良い仕事をしました。反転して瓦(鉛弾防御用)を手にしているのはもちろんのこと、チカビスに反応してちゃんとシールドも集中して張ってるんですよ。砕かれましたけど。

 

マジで辻ちゃんは「練度の高い兵士」なんだなって嬉しくなってしまいますね。尚、その練度を無視して圧倒的な才が上から降り注ぐ模様。人生ってままなりませんね。辻ちゃん可愛い。

 

【玉狛第二隊長 三雲修】

 

オッサムは今まで散々「持たざるものの戦い」を繰り広げて来た訳ですが、ここでその集大成が披露されたと言っても過言ではないと思います。

 

思えば今月号王子の読者の情報量を裏切らない解説も、先月の追尾弾の解説も、もっと言えば解説に王子が選ばれたこと、焼肉回……遡れば風間さんと戦って三雲ダウンを連呼されたことすら「二宮を修が倒す」布石になっていたようにすら見えます。

 

正直な話、二宮を倒すのは千佳ちゃんだろうなと思いながら読んでいたのですが、文句なく二宮を持てる手札で倒した修を見て、ROUND8の終わり方はこれ以外はあり得ないな~と掌をくるっくる回しました。マジのマジで修が二宮を倒すとは思っていなかったんです。そりゃあ解説席のリアクション要因も涙目で万歳しますよ。

 

こんなの予想できた人はいたのでしょうか。予想は裏切り期待は裏切らないの極地みたいなものじゃないですか。少年漫画で敵よりも圧倒的に弱い主人公が大金星を挙げるのは普通のことですが、基本的にワールドトリガーは強い人が強い漫画なので。

 

でも言われてみればオッサムがトリガー構成の変更を考える話は作中で出ていて、今回の展開に至るのに必要な描写はこれでもかと過去に描かれつくしているんですよね。先月の感想で「手数の多さは強さ」と言いましたが、持たざる修は今まで持っていた手札と新しい札を交換した訳です。

 

個人的に二宮を穿ったシーンで、諏訪さんをオッサムが倒したシーンを思い出しました。思えば遠くへ来たものです。

 

【ナイスキル】

 

そういうところだよ犬飼~~私でも分かります、柿崎さんを慕っているカゲが犬飼を嫌う理由が。そりゃ、ザキさんタイプに懐く人間があの言動をする人間を好きにはなりませんわな。

 

後、千佳ちゃんが生きていると犬飼がベイルアウト出来ないという合理的な理由があるのがまた、「ホントそういうとこだぞ」って感じです。タタタタじゃねーんだわ。

 

【嵐山准の真顔が怖い】

 

二宮のスライド移動の後のA級のリアクションシーン、太刀川さんが「あちゃー」みたいなリアクションをしていないのは分かるんです。個人総合1位だし。分かる。

 

真顔の嵐山准が超怖かったです。初めて嵐山を怖いと感じました。「最後まで戦える」の時はそうでもなかったのですが。

 

【今回の白眉】

 

作画面ではやはり千佳ちゃんの狙撃シーンが滅茶苦茶格好良かったです。ガラスが割れる表現もそうなんですが、擬音がガラスの外と内に描かれていることで、撃っているシーンだけが描かれているけれども画面内でほんのコンマの時間が流れている感があってグッと来ました。