裏声で歌えマズルカ

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鬼滅の刃 感想

 

注意:この記事には鬼滅の刃最終話までのネタバレが含まれています。

 

後はこれは言っておかなければフェアでは無いと思うので伝えておきますが、私が遊戯王のアニメシリーズで一番好きなのはZEXALです。

 

何にせよ、今日この記事をしたためた理由の半分は鬼滅が完結したからで、残りの半分は「キラ・ヤマトの誕生日だし更新するか」という気分だった人間の書く文章です。そこのところは頭の片隅に置いておいて頂けるとこちとらこれ幸い。

 

 

 

友人に「お前は基本的にクソ漫画愛好家だけど10年に1回くらいの周期でお前が好きな漫画がハネる時があるよな」みたいなことを言われたので完結したことだし鬼滅の感想を書いておこうと思いました。冷静に考えれば普通に吾峠先生にファンレターを送った方が良いな、という事には既に気付いているので不要不急の外出をしても良い身分になったらレターセットを買いに行こうと思います。

 

個人的に物事は終焉を迎えて初めて評価可能であると思っている派なので、まず私が生きている内に鬼滅の刃が完結して本当に良かった、吾峠先生連載お疲れさまでした、先生には本当に幸福になって貰いたいです、ということを書いておこうと思います。

 

という事でそろそろ好きな漫画(完結済み)の9位に喰い込むこととなった鬼滅の刃の感想を書いていくのですが、一言で言い表すと「凄く好き」という四文字に集約されます。

 

あんまり作品を分解して「この部分が好き」とバラしていくのは好きではないのですが鬼滅はテンポ、絵柄、物語の湿度、「無惨様最終形態が赤子」を始めとする吾峠先生のセンス、過去回想の適度な長さ、キャラクター造形、物語で描く部分と描かない部分の取捨選択、全てが好みです。

 

私は鬼滅の刃荒木飛呂彦先生の言葉を借りれば「人間賛歌」の物語として読みました。これは炭治郎が土下座した時から変わっていないです。因みに私が鬼滅に入れ込んだのも炭治郎が土下座したシーンからです。

 

前も言った気がしますが、鬼滅の刃って要素だけを取り出してみてみるとジョジョの奇妙な冒険シリーズに近しい部分がいくつもあります。が、情報の取捨選択の仕方や過去回想の重さと軽さに関してはむしろネウロに近いと感じています。ネウロの優れた部分の一つに情報の出し方があると思うんですよ。特に刹那さん関連。

 

鬼滅の情報の出し方に関して巧いな、と思ったのは不死川さん関連や音柱関連で「このキャラクターはこういう人でこう動きます」というのがちゃんと見ていて分かり易いんです。といいますか、鬼滅の刃は全体的に読者に対して分かり易く描かれていると感じました。フレンドリー漫画。

 

これはまぁ私が夢幻列車編が大人気なの解せねぇなと思っている理由の一つなんですが、鬼滅の刃って1話から繰り返し繰り返し「この兄妹特別なんですわ」って読者に対して語り掛けてきているんです。夢幻列車で言えば小人さんの話とか、善逸による長男の音解説とか、お館様の対応とかもそうですね。メタ的に言うと主人公補正というアレですが、その主人公補正をもってしてもどうにもならないものが存在するのが鬼滅世界のバランス感覚好みだわってなる部分です。この辺は炭治郎が元々主人公ではなかったというのも関係してくるのかもしれませんが、そこは別に感想とは関係ないので飛ばします。ちゃんと読者を篩にかけてくれる漫画家は信頼することにしています。

 

鬼滅の刃は人間賛歌といいますが、人が繋いでいくもののお話だったので、最終話で彼らが繋いでいったものが今どうなっているのかが描かれるというのは納得のできる着地点でした。後、次男はアレ完全に縁壱さんとすやこさん成分がミックスされていますよね?

 

最終話がキメツ学園に繋がっていなかったのも吾峠先生信頼できるポイントの1つです。鬼と人とを完全に分けているんですよね、本編では。約1名、メイドイン無惨ではない例外が居ますが。でも、自分だけの日記に愛しい人のことを綴り続けるのではなく多くの人に愛する人の美しさを伝え続けるというのは、愈史郎くんなりの「遺す」形なのかなぁと思います。尚、善逸の残した文章はホラ扱いされている様子。

 

何にせよ、リアルタイムで鬼滅の刃を楽しく読むことが出来て幸運でした。単行本の刊行もありますし(私はアニメ版は好んでいない上に吾峠先生以外の描いた鬼滅世界にあまり興味が無いタイプのオタクです)「今日は鬼滅が読みたいな」という日に完結した漫画を読める幸いを噛み締めていこうと思います。