裏声で歌えマズルカ

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トクサツガガガ 感想

 

注意:この記事にはトクサツガガガ最終回までのネタバレが含まれています。

 

後はこれは言っておかなければフェアでは無いと思うので伝えておきますが、私がスーパー戦隊シリーズで一番好きなのは侍戦隊シンケンジャーです。

 

尚、本日最終回を迎えた仮面ライダーゼロワンに関してはおおむね満足している立場の人間でもあります。主演縄田ライダーが敵の高岩ライダーに向かっていくの、主役が喰われてしまうのでは、と疑ってかかった自分が恥ずかしいですね。どうしても私の中では縄田さんってネオアルファのイメージが強くありまして。ルパパトでも監督をやっていた杉原監督は「この後を皆さんが想像できるような」と余白を残しておくタイプの方で、……すいません、トクサツガガガの話を始めます。

 

 

物事は終わりを迎えて初めて評価可能だと思っている人間としては、オーズ10周年を祝わずにはいられないのですが、それはともかく。まずは無事にトクサツガガガが完結して本当に良かった、丹羽庭先生本当にお疲れ様でした、先生の特撮ライフに幸多からんことを願ってやみません、ということを書いておこうと思います。

 

トクサツガガガの感想を一言で言い表すと「仲村さん超えらいよな……」に尽きます。あんなに人間のできた特撮オタク、あまりいないですからね。自炊するし、自立しているし、役者に自分の描いた同人誌送りつけないし、鍵のかかっていないアカウントで特撮の登場人物に関する性的なツイートしていないし、特撮作品のキャプ画をツイッターでリプしないし、特撮に出たことのある役者を人前で役名で呼ばないし、早バレ拡散しないし、社会性があるし。

 

私がトクサツガガガで特に好きなエピソードの一つに、仲村さんの誕生日ケーキを作る際に安易にジュウショウワンのキャラクターの絵をケーキに描くのではなく、ジュウショウワンをイメージモチーフにしたケーキを作った話があるんですけれども、仲村さんが人間出来てるから周囲のオタ友もジャンルは違えどモラルの高い人が集っている訳です。倫理観が高いと、同水準の倫理観の友人で固まる、世の中ってそう出来ているんですね。

 

なんだかんだ特撮作品に込められたメッセージを仲村さんがきちんと受け取れているのは、仲村さんが出来た人だからなんです。出来てない人間は特撮を見ているだけでメッセージは受け取れなくて、この監督は演出がどうのとかこのスーツアクターはあの作品でこうのとか、そんな話を始めます。私のことです。

 

そもそも、仲村さんの何が偉いって、彼女の敵といいますか、彼女を悩ませる殆どが人間関係なんですよ。対北代さんとか対母親とか対ダミアンとか。偉い。超偉い。私の特撮オタクとしての悩みとかプレバンを平日の12時申し込みにするな、とか、ビルドの小説の発売何時だよ、とか、ダイナの出自が小説版で明らかになったとかマジで!?とかそんなレベルですからね。我ながら人としてどうかと思います。

 

後はてれびさんを購入するのに恥を感じる真っ当な感性があるのも素晴らしいですね。そりゃあ元カレくらい居ます。トクサツガガガの登場人物は皆、きちんと社会性を持った上で「好きなものは好きなので」と生きているのが端的に言って最高ですね。後、特撮オタクが周囲をハッとさせる話だけでなく、特撮オタクが周囲にハッとさせられる話もあるバランス感覚も好みです。

 

正直、私は特撮オタクを隠していない側の人間なので仲村さんに共感することはあまり無いのですが、真面目に社会人とオタクをやっている仲村さんには頭が下がる思いです。まぁ、私はサカナクションと和解しましたが。

 

実写版も面白かったし、完結したので2期とか無いかな~?と少し期待しています。

 

ちゃんとしてるオタクが見たい人におすすめの漫画、トクサツガガガ。全20巻と長さもお手頃なので多くの人に読んで頂けると嬉しいです。